2009.06.10

全国初の「住民参加型入札」を考える

 去る6月6日土曜日、北海道開発局小樽開発建設部発注の交差点工事の入札で、全国初の住民参加型総合評価入札が行われた。

 住民参加型総合評価入札とは、工事施工場所の自治体の市民が工事入札業者が行う工事の施工・創意工夫・自社の実績等についてのプレゼンテーションを参考に、自分が工事を任せたい企業を選出し、総合評価落札方式の加点として扱うもので、今回は、札幌市のお隣の喜茂別町の国道交差点改良工事(B等級・1億~2.5憶)の道路工事を対象に全国初の試みとして行われた。
 

 プレゼンの模様(北海道建設新聞社紙面より)

 工事詳細(e-kenshinより)
 試行対象は230号喜茂別町喜茂別市街交差点改良。
 後志管内の一般土木Bが対象で、施工延長は460m。歩道拡幅や右折レーン設置などを行う。3月31日に入札公告され、5月12日に開札。5月29日に評価値上位3社が選出された。

 プレゼン参加企業は、3社。 この3社は、プレゼン会場の喜茂別町役場で初めて公表されもので、草別組(岩内町)、協成建設工業(岩内町)、桜組(京極町)の3社である。

 今回のプレゼンの結果、桜組が、21票中17票を獲得。くしくも桜組の本社京極町は、喜茂別町の隣町。 羊蹄山の名水が有名な人口3500人ほどの農村地帯。

 入札金額に目を移すと、同工事の予定価格は1億6907万円で、各社の入札価格は協成建設工業1億6700万円、草別組1億6350万円、桜組1億6000万円と、プレゼン1位の桜組が最低応札者となっている。
 なお、応札額は、予定価格の94.7%であり、工事内容の詳細は、ここで知るすべがないものの、昨今の工事の落札率からは高い部類に入る。

 さて、全国で初めて試行された住民参加型総合評価入札だが、住民の公共事業に対する理解促進効果は、十分期待されるものの、入札手続きに要する日数とそれに関係する一般住民の募集、そして参加企業の負担など、同入札システムが受発注者ともに、膨大な負担となることについて、今後議論するべきである。

 なにより、住民支持数1位を獲得すれば、1億規模の工事で1千万円の応札額を逆転できるほどの大きなウェイトを占めていることを考えれば、一種のパフォーマンス。 ○○○劇場的な、絵にかいた餅をプレゼンすることにもなりかねない。さらに、過度なパフォーマンスと、それに便乗した演出ビジネスの登場!

 住民参加により、公共事業の理解度向上が飛躍的に向上することは望めるものの、今回のような地方町村での工事。 その投票に際して、親族・姻族がいないことを確認しても、どうしても地元ひいきになるのは、利害関係から仕方のないことだと思う。

 北海道建設新聞の紙面にも書かれているように、事業主体の国交省は、今回の試行結果の課題を早急に取りまとめ、今後の同種入札の拡大に向けての課題と、対象工事と地域について検証し、住民投票の公平性を確保する必要があると考える。

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2009.03.16

総合評価における工事評定点の地域格差問題

 今日は、総合評価落札方式についてのシビアな話題について触れさせていただきます。
 週の始まりの話題としては重いですが、非常に気がかりな内容となっています。

ここからが本題
 先週の北海道開発局発注の総合評価落札方式の土木工事落札状況を観察していると、1社が3~5件の工事を大量落札している驚くべき事実に目を奪われた。

 これらの工事は、札幌管内及び近郊での S 開発建設部と I 開発建設部発注の道路工事と河川工事である。
 そして大量落札したのうち1社は、地元札幌の業者。 もう1社は、札幌管外の道東の業者である。

 総合評価落札方式は、施工計画、企業、地域性について加点される。 たぶん、今回の落札業者は、企業点数が他社より有利と推測できる。 基礎点となる企業点数が優位な上に施工計画で高得点を得られれば、鬼に金棒である。(施工計画は工事毎の相対評価での評価となる)

企業点とは
 さて、基礎点と称される企業点数は、過去2年間の工事評定点平均、工事表彰と、工事の格付けにより過去10年間の担当技術者の工事点数平均が、主な要素となる。 然るに、企業点数が高い会社は、常に優位な立場で入札に挑戦できるのである。
 調査基準価格という海中転落(ドボン)寸前の岸壁間際で停止しなくてもよい訳である。 駅伝の復路に例えると、他社より数分前にスタートできるアドバンテージを有する訳である。

 企業点数に配点の重みがあれば、今回のような一社での大量落札が叶うのである。 社内の経験技術者が、(工事落札により)枯渇するまで取り続けられるのである。 これは、企業点数高得点のモンスターカンパニーの勝利の方程式なのだ。

 さて今回の落札者決定の要因の一つになったと予測できる企業点だが、ここに一つ問題点を感じた。 つまり、工事評定点の地域格差である。

北海道開発局の場合
 北海道開発局の場合、下位組織に11の開発建設部があり、工事は、開発建設部毎に発注されていて、工事完成後の工事評定点も開発建設部が決めている訳である。
 つまり、開発建設部間で、工事評定点の平均値に差が生じる現象が発生するのは当然のことである。

 開発建設部MAP
 開発建設部MAP 出典:北海道開発局


 札幌管内の工事評定点は、地方の開発建設部より、総じて低い結果となっている。 つまり、地方で高得点を得た業者が、その高い企業点数を武器に、札幌管内の工事に挑戦すれば、優位な立場で札幌管内の業者と競争できる構図となる。

 これは、札幌以外での工事実績がない業者には、極めて不利な状況である。(但し、必ず高得点が取れるとは限らないが)
 北海道内一円の工事評定点を平準化しない限り、今回のような1社独占状態に近い落札結果が、今後も発生する公算が高いのではないだろうか?

平準化の提案
 ここで一つの提案だが、総合評価における工事評定点は、「発注する開発建設部の工事評定点に限る」若しくは「各開発建設部の工事評定点の平均点を加味した補正計算を実施する」ことである。 このいずれかの工事評定点平準化対策を図ることで、とりあえず地域格差の解消に繋がるのではないだろうか?
 この暫定的平準化措置を実効したのち、2年ほどかけて開発建設部毎の工事評点平準化を確認する。 平準化の確認ができたのち、平準化暫定措置を解消すれば、道内の業者が同じ土俵で勝負できるというもの。

 工事評定点の地域格差解消ため、可及的速やかな改善策の実効を願わずにはいられないのである。

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2008.12.09

総合評価の環境対策提案で、加点なしもあった

 国交省 北海道開発局の総合評価落札方式では、平成20年10月から環境対策の提案が義務付けされています。

 その環境対策の提案項目は、大きく4つに分類されています。

【提案内容の分類】
 1.自然共生社会の形成に資する取り組み
 2.循環社会の形成に資する取り組み
 3.低炭素社会の形成に資する取り組み
 4.その他

 さて、北海道建設新聞紙面によると、環境提案試行から1か月経過の11月時点で、環境提案内容が加点された割合は約70%。
 環境提案は、優・良・可のような段階評価型ではなく、提案がある・なしのAll or Nothingで1点または0点が加点されます。 つまり、難しい提案を求める技術提案ではなく、○○運動のような精神的活動以外であれば加点されるようです。

 そのような中で、加点されない提案があるとは・・・。 その提案を見てみたいです。

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2008.12.05

総合評価提案内容の履行確認

 11月の国交省北海道開発局の入札案件の特記仕様書に、「総合評価提案内容に係るチェックシート」が付いてきました。 この種のチェックシートは初めて目にします。

 今後の技術提案は、このシートでチェックされるんですね。

 総合評価提案内容に係るチェックシート

 このチェックシートを見ると、履行確認の方法について施工計画書への記載が必要です。皆さん、きちんと記入しましょうね。

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2008.11.20

現場が丸見え

 先月、見に行った現場近くに、???と思わせるものが設置してありました。

 堤防の天端に単管で建てられた支柱です。 その支柱には、電柱からの電力が供給されていたので近寄って見に行くと、WEBカメラでした。
このWEBカメラの先には、工事現場が見えています。 リアルタイムな現場状況を現場事務所で、観るために設置したに違いありません。 川の状況も把握できます。

 カメラ1
 工事現場を望むWEBカメラ

 カメラ1 拡大
 ポール先端の防水型WEBカメラとLAN用八木アンテナ

 さて、撮影した動画は、現場事務所へLANで送信する仕組みになっていますが、ここのWEBカメラから現場事務所は、500m以上離れているのと、直線状にそびえるの木々が邪魔になって現場事務所が直視できません。

 となると、リピーター局が必要です。

 早速、アンテナが指向する方向に移動しました。
 進むこと約300mで、LAN用のリピーター局を発見。 このリピータ局から現場事務所までは300mほど。 先ほど見つけたWEBカメラと現場事務所方向のロケーションも十分開けています。

 ここリピーター局にも工夫が見受けられました。
 ここににもカメラが設置されています。 カメラの視野方向には現場がありません。 おそらく川の流況を監視していると思われます。
 さらに、風速計を設置。 データは、現場事務所に送信されていることと思います。 併せて、警報装置も設置されていました。 大したものですflair 

 リピーター局とカメラ2
 リピーター局

 リピーター局 拡大
 リピーター局
 LAN用八木アンテナ(2本)、WEBカメラ

 風速計、スピーカー付き回転灯のおまけ付

 次に、現場事務所へ移動します。

 物置の上に屋根馬とLANアンテナを発見。 謎はすべて解決しました。

 気になるのは、撮影画像の発注者への公開。 重点調査価格で受注した場合は、WEBカメラの設置を義務付ける場合がありますが、ここの工事はそれなりの落札率での受注。 総合評価の技術提案での設置なのか、創意工夫での設置なのかは、判断が付きません。

 現場事務所
 現場事務所
 屋根馬で設置されたLAN用八木アンテナ

 実は、自分も数年前に無線LANによる現場の動画配信を試みたのですが、カメラ設置場所と現場事務所との間に防風林があって、伝搬が不可能な状態でした。 無線LANに使用のギガヘルツ帯の電波を受信するためには、伝搬障害防止区域を広く確保する必要があります(対するアンテナが見えていても伝搬できません) 

 今回、現場事務所に動画配信するこのシステムを間近に見て、ここの工事の現場代理さんが、取り組む前向きな新しい挑戦に、敬服しました。

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2008.11.14

総合評価の実践セミナーが開催される

 一昨日は、あるソフト会社が主催する「総合評価セミナー」に行ってきました。

 さて、そのセミナーのテーマとして取上げられた総合評価落札方式が、国交省の一般的な工事に導入されて、そろそろ満2年を迎えようとしています。 総合評価落札方式は、入札前の技術提案が評価点の重要な要素になりますが、その書き方についてのセミナーは、これまでに幾度となく行われているようです。

 自分も仕事がら、4回ほど参加させていただき、書き方の理屈だけは身についた(つもり)ようです。 

 しかし、講師の説明を長時間聞くだけの座学的セミナーは、そろそろ満腹です。
 技術提案の作成者は、次なるステップが必要です。

 下の雑誌のコピーは、「日経コンストラクション」の誌面で、写真のセミナーは、技術提案を実際に作成する実践的なセミナーです。 つまり、頭と手と口を使って、体全体で技術提案のステップアップを図る画期的なセミナーが紹介されています。

 このような実践的なセミナーが、北海道で行われるとの情報を得ました。

 『総合評価の技術提案力強化セミナー』

 主催は、CALSスクエア北海道

 来年1月28日と30日に北海道の帯広市と札幌市で開催されるようです。
 CALSスクエア北海道のブログによるとセミナーの申込み開始は、12月中旬とのことですが、複数の会社の技術者がチームとなって、与えられた工事の課題について取組む。 刺激的です。 他社の技術者の考え方も学べます。 総じて、土木技術者のレベルアップにつながるのではないか! そうのようなプラス思考満載のセミナーとなるでしょう。

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 「日経コンストラクション2008.8.22」より

 担当する講師は、「日経コンストラクション」の総合評価実践塾の執筆者 吉田信夫氏を招いての朝10:00~夕方4:30までの長丁場。
 自分も参加したいです。

Seminar2
セミナーでのアドバイスの模様(写真出典:ケンプラッツ)

 

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