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2006.11.28

佐呂間竜巻から3週間 書類の復旧具合が気になる

 最初に、11月7日発生の竜巻で亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。

 北海道佐呂町で発生した竜巻は、その後の再現実験(雲解像モデルによる)でスーパーセル(積乱雲は、対となった強い上昇流域と下降流域を伴う)の特徴があることがわかりました。

 竜巻のメカニズムは専門家に任せておくにしても、同業者として心配なのが、工事の再開時期。 これも発注元の国交省北海道開発局網走開発建設部によると、「工事の実施に必要な書類の紛失等により、年内の再開は難しい」とのこと。

 午後一番に開かれた工事現場の打合せ会議終了後、工事事務所周辺を局地的に襲った悪夢。 幸い、現場所長は一階の所長室にいたため、一命は食い止めましたが、多くの幹部スタッフが多数死傷。 この状態では、工事再開に時間を要するのも当然です。

 今回網走開発建設部から工事の遅延理由として発表されたのは、工事実施に必要な書類の紛失。 工事事務所には、工事の品質・出来形等、さらには工事を施工するための施工図面、さらには協力業者との契約記録や労務管理の記録等、工事実施のために必要な書類が多々あるのは、同業者の方ならご存知のはず。
 さらには当工事は、ISO対象工事となっています。

 1990年代半ばからのパソコンの普及並びに建設CALS/ECの影響もあり、現場で利用されるこれらの書類は、紙媒体を主体に電子媒体でも保管手段として利用されるようになっています。 今回の竜巻では、残念ながら紙媒体は無残な形になっていることと想像できます。

 そこで、一途の望みを持てるのが電子媒体。 当工事JVでは、現場で発生する電子ファイルをどこでどのように保管管理する仕組みになっていたかはわかりませんが、願わくば、インターネットを利用したIDC(インターネット・データ・センター)で保管されていれば、かなりの書類が残っている。 しかし、現場の実情は、個人が使用するPC若しくは現場事務所内においてあるファイルサーバーを利用して、工事施工の際に一番利用頻度の高い電子媒体を保管していたことと思います。 仮にIDCがあっても週に一度のアップロードを行う程度かもしれません。 ましてや、夜間現場事務所が不在になる中小建設現場と違って、大規模プロジェクト。 昼夜24時間体制で技術員がいることを考えれば、データの盗難は極めて少なく、残りのリスクでは、機器の故障、火事程度と考えるのが一般的かと思います。まさか、竜巻で現場事務所ごと吹き飛ばされることは想像しなかったでしょう。

 今回の竜巻では、現場事務所のパソコンや周辺機器が建物共々竜巻によって空高く舞い上がり、猛烈な衝撃を受けたことを考えれば、データの保管媒体であるHDD(ハードディスクドライブ)に与えた物理的な損傷は避けられないと思います。 仮にCDへの保管が一部あったとしてもその保管方法がこのような予期せぬ衝撃に耐えられたかは疑問です。

 現在、工事再開に向けて、人的要員の再構築、工事現場事務所の復旧さらには、工事実施のための計画書や施工記録の復旧に全力を挙げられていることと思います。

 中小建設業においても工事事務所を設置する場合が多いのですが、そこでのデータ管理の手法について、危機管理も含めた観点から再考してみてはいかがでしょうか?

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コメント

あの中継を見て、「書類はいったいどうなってしまったんだ、これは大変だぞ」と、とっさに思ってしまった、まことに不謹慎な私でした。
私も、いくらかでも復旧可能なデータ管理がなされていたことを願っております。同時に、その復旧作業に携わる方々のご苦労に思いを馳せております。
(なによりも被災なさった方々、関係者の皆様には、目を閉じてお祈りを捧げる次第です。)

一方、現場でのデータ管理に対する危機意識は全般的に希薄だと感じます。例えば、1TB外付けHDDは6万円で買える時代になりました。
だいひまじんさんが結ばれたように、私自身のことも含め、このことを「この機会に!すぐ!」考え直さなければいけないと思いました。

投稿: どぼん | 2006.11.28 08:31

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